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東海道中膝栗毛 3日目 ~箱根・三島・蒲原の宿~ [講談]

OBCの収録の話

近所の者に路銀を借りて、八丁堀の裏長屋を畳んで、江戸を出立した弥次さん喜多さん。
箱根の宿を出たところで、商人風の旅人、十吉に出会う。
三人旅。

子供がスッポンをいじめているから、金を出して助けてやる。
今晩の酒の魚にするつもり。
助けているのかどうか。

宿に泊まる。
藁苞の中にスッポンを入れて床の間に置く。
宿の主が、
「宿帳をつけますので、国とお名前をお願いします」
「泉州堺、天川屋義平」
「性別は」
「男でござる」
「冗談言っちゃあいけません」

夜中、弥次さん喜多さんが眠っていると、
藁苞の中のスッポン、腹が減ったのかノコノコ這い出てきて、
喜多さんの布団に入った。
驚いた喜多さん、スッポンを手で払いのけると、スッポンが飛んで、
弥次さんの顔にべチャーとへばりついた。
気持ち悪からのけようとするときに、スッポンも一生懸命ですから、
弥次さんの指をガブッと噛んだ。
「ギャー。痛い~」
この騒ぎの中、十吉は弥次さんの胴巻きから金を盗んだ。
こいつは護摩の灰で、こういう商売をしている。
弥次さんが金を持っているの知って、箱根から狙っていたのだ。
そのまま十吉は裏道から逃げてしまう。
弥次喜多は一文なしになってしまった。

蒲原の宿へやって来た時、
宿には60過ぎの六部と17、8の巡礼姿の娘。
六部は訥々と不思議な話をする。
昔、江戸で箱屋の商売をしたが失敗した。
江戸では風がよく吹くので、風が吹けば箱屋が儲かると思ったのだ。
それで今は六部。

隣にいるのは孫娘。
20年ほど前に雷が落ちた。
落ちたところが悪かったので腰を痛めて、雲の上に戻れなくなった雷。
六部が世話をしてやったが、やがて娘さんと恋をする。
娘が妊娠。
雷は雲の上に帰ったが、やがて熊野の沖に落ちた時に、鯨に食べられてしまった。
娘は、父親の雷に似た子を産みたいと思った。
角が生えた子が生まれるように祈ったが、生まれたのは角の無い普通の子。
親に似ぬ子は鬼子と言うが、鬼子なのに鬼じゃない。

喜多八はこの娘と仲良くなりたいと思う。
宿の婆と娘は二階で寝る。
宿の主、六部、弥次喜多は一階で寝る。
やがて、夜中に目を覚ました喜多八、娘の布団に忍び込もうと二階へ上がったが、
間違って、婆さんの布団に入った。
婆さんの悲鳴。
驚いて逃げる喜多八は、二階を踏み抜いて、一階へ落ちる。
落ちたのが丁度、仏壇の中。
宿の主が起きて来て、
「なぜこんなところにいるのじゃ」
「雪隠と間違いまして」
「二階に行っていたのじゃろう」
「猫が褌をくわえて持って行ったので追いかけました」
「婆さんの布団に入ったのか」
「女郎買いの夢をみておりました」

ケラケラ笑っている弥次さん。
「喜多さん。猫が褌をくわえていったと言ったろう。面白い話を考えた」
「どんな話だ」
「猫が六部の六尺褌をくわえていくと、チントンシャンと三味線の音色が聞こえてきた」
「ほう」
「次に弥次郎兵衛の褌をくわえていくと、またチントンシャンと三味線の音色が聞こえてきた」
「ふーん」
「今度は喜多さんの褌をくわえていったんだ。喜多さんは越中褌だから短い。
大方、胡弓の音色でも聞こえるかと思ったんだが、聞こえてきたのはデンデンデンという義太夫三味線の音」
「どうして?」

どうしてなんでしょうか。続きは明日。
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講釈場の看板はトリの者が書くそうです。
毎回、南海さんの筆。

「天王山之合戦」旭堂南海
「弥次喜多道中」旭堂南湖
「源義経」旭堂南青



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