東海道中膝栗毛 5日目 ~京見物~ [講談]
京の茶店で一服する弥次喜多。
茶店の婆さんが泣き出す。
先日亡くなった息子に弥次さんがそっくりらしい。
泣きながら甘酒を出す。
婆さんの涙、鼻水が入った甘酒を飲む両人。
方広寺にやってくる。
天正14年に太閤秀吉が建立した寺。
奈良の大仏よりも大きな大仏。
手の平には畳八畳敷けたという。
狸の金玉と同じ。
京の大仏として親しまれている。
現在はない。
方広寺の鐘が有名。
「国家安康」「君臣豊楽」の文字。
家と康が切り離されている。
豊臣の世の中を願っている。
という言いがかりをつけて大阪城を攻める徳川家康。
柱に大きな穴。
田舎の参拝客が楽しそうにくぐっている。
喜多さんはやせているのですっと通る。
弥次さんは途中で体が抜けなくなって大変。
三条までやってくる。
小便桶を担いだ男。
「大根、小便しよ」
これは小便すると大根をくれる肥担ぎ。
喜多さんも小便する。
「良い小便だ。小便は関東に限る」
弥次さんは小便が出にくい。
肥担ぎが、
「出にくい酒樽は頭に錐で穴を開けたら、下からシャーシャーと酒が出る。おめえの頭に錐で穴を開けようか」
向こうから頭に物を乗せた女商人。
冷やかす弥次さん。
なぜか梯子を買うことになる。
宿へ泊まる。
宿の亭主が不審がって、
「あの梯子は何ですか?」
弥次さんが作り話。
「実は京に住んでいた男が親元を離れて江戸に来ている。親元から便り。親は無筆なので梯子を送ってきた。
その心は『上ってこい』。つまり都へ帰れということだ。
息子も無筆だが負けていない。梯子と坊主を送り返して、坊主には撞木だけを持たせてある。
心は『帰りたいが金がない』」
梯子を担いで見物できないから、忘れた振りをしようとするが、
宿の下女に見つかってしまう。
北野天満宮へ。
門前の茶店に梯子を預ける。
東門から入って、南門から帰るつもり。
梯子を捨てて帰ろうと考えたのだが、間違って東門に出てしまう。
茶店の女が、
「梯子お忘れですよ」
弥次喜多は逃げる。
淀の大橋から船に乗って大阪へ。
続きは明日。
打ち上げは雀のおやどのオーナーさんにお世話になる。
12月2日の南青結婚祝賀講談会の打ち合わせをしながら、お寿司を頂く。
お腹一杯。